第296章:この女があまりにもわがまま(3)

青木岑はすぐに顔をそむけ、桑原勝を見なかったふりをして……

そして棚の上のピーナッツを手に取って開け、パクパク食べ始めた。

桑原勝は意志とは関係なく近づいてきて、「まさかカラオケに来てるなんて、不思議な感じだね」と言った。

「お願いだから、私がどうかしたの?私だって人間でしょ?あなたが来れるなら、私だって来れるわよ」

「つまり……あなたも夜遊びを楽しむ看護師さんってことだね」桑原勝は彼女をからかった。

「くだらないこと言わないで、車の修理は終わったの?」

「車?どんな車?」桑原勝は知らないふりをした。

「桑原勝、もう……」青木岑は大切な車のことを心配していた。修理に出して2、3日経つが、この数日は西尾聡雄が送り迎えをしてくれていた。

西尾様にそんなに苦労をかけたくなかったので、早く車を取り戻したかったのに、この男は知らないふりをしている。