カードには「今回はあなたの車に当ててしまい、本当に申し訳ありません。車は修理済みです。次回は、こんなに激しく当てないように気をつけます」と書かれていた。
次回?まだ次があるつもり?しかも、そんなに激しく当てないって?どの程度まで当てるつもり?軽重の程度なんて把握できるの?
青木岑は怒り心頭で、車からユリの花を引っ張り出し、バンと地面に投げつけ、踏みつけた。
「あら、看護師長、どうしたんですか?」見波はちょうど出勤途中で、看護師長が花を踏みつけているのを見かけ、すぐに寄ってきた。
「なんでもないわ、どこかの変態から送られてきたの。縁起が悪いから踏んじゃった」
「もったいないですね、こんなに大きな花束なのに」見波は笑いながら言った。
桑原勝の謝罪文は確かに変だったけど、少なくとも車は修理されていて、むしろ以前より良くなったように見えた。