西尾聡雄はゆっくりと召喚状を受け取って確認し、何も言わなかった……
「この件で後始末ができなくなるから正直に話したわけじゃないの。ただ、前にあなたが言ったように、私たち夫婦なんだから、何でも話し合うべきで、隠し事はしない方がいいって。だから、夫として、奥さんが訴えられたことを知る権利があると思って、ね」青木岑は軽く笑った。
「よくやった」西尾聡雄は青木岑を見つめ、その眼差しは優しかった。
「え?」その言葉に青木岑は首を傾げた。
「これからもそうしてくれ。何かあったら真っ先に俺に話すんだ」
「うん、わかった」青木岑は頷いた。
「この件は心配するな。俺が対処する。食事にしよう」西尾聡雄は表情を緩め、書類を脇に置くと、青木岑のために冬瓜スープを器に注いだ。
西尾聡雄の様子を見て、青木岑は自分が大丈夫だと確信した。