「彼女の彼氏は西尾聡雄だったのね」
「ちょっと勘違いしているかもしれないけど、彼らの関係は恋人以上だと思うよ。君の部下にもう少しよく調べさせた方がいいね。はは、まあ、裁判は終わったし、私の妹の岑も無事だから安心したよ。飲みに行かない?」
「行かない」桑原勝はきっぱりと断った。
「残念だな。じゃあ私一人で行くよ」そう言って、青木重徳は大きく伸びをして、階段を降り、マセラティに乗り込んで走り去った。
「どうしたの?表情が少しおかしいけど」関口遥はトイレに行っていたため、青木岑たちが帰った時には既にいなくなっていたので、何が起こったのか分からなかった。
「何でもない。行こう」西尾聡雄が青木岑の手を取ってキスを何度もしたのを見てから、桑原勝は気分が悪くなり、話したくも動きたくもなくなった。