「これは……?」裁判官もこのような控訴の取り下げに遭遇したことがなく、一時的にどう対処すべきか分からなかった。
「この案件は先ほどの案件と密接に関連しているため、双方当事者が出席している状況で、一括して審理していただきたいと思います」と吉田デニスは要求した。
最後に裁判官と陪審員が数分間協議し、最終的に審理の継続に同意した。
長田輝明はこの時すでに呆然としていた……
小田勝田も普段の傲慢な態度を失い、完全に呆けた様子だった。
吉田デニスが一つ一つの証拠を示し、次々と質問を投げかける中、長田輝明は支離滅裂で、言葉も上手く出てこなかった。
完全な嘘の連続で、しかも矛盾だらけ、全く説得力がなかった……
青木岑は自分が無罪になっただけでよかったと思っていたが、吉田デニスが逆に告訴するとは予想していなかった。