第350章：桑原様の宣戦布告（2）

「お前すごいな、デニスまで呼べるなんて。この嘘つきぶりには99点をあげるよ。残りの1点は謙虚さを忘れないようにってことで」佐藤然はメッセージを打った。

西尾聡雄：……

「そっちはどう？」数秒後、西尾聡雄が尋ねた。

「すべて順調だよ。結果はもう知ってたんじゃないの？」佐藤然は西尾聡雄の質問が無駄だと感じた。

「岑の様子を聞いているんだ」西尾聡雄は再び尋ねた。

「ああ、お前の奥さんか。相当怖がってて、精神的にまいってたよ。法廷で相手の弁護士に泣かされちゃって、かわいそうなもんだった」

「もう一度チャンスをあげるから、本当のことを言え……」西尾聡雄は佐藤然の言葉が嘘だとわかっていた。

「はは、わかったわかった。実は奥さんの調子はすごくいいよ。それにデニスのことを知らなくて、おじさんって呼んでたんだぜ」

西尾聡雄は向こう側で佐藤然の返信を見て、青木岑の様子を想像し、口元がわずかに上がった……

「いつこっちに来る？」

「後で行くよ」

この返事の後、西尾聡雄は返信を止めた。開廷時間が近づいてきた頃、青木重徳が近づいてきて笑いながら言った。「岑ちゃん、頑張ってね」

青木岑は彼の言葉を完全に無視して、そばを通り過ぎた……

少し離れたところで、桑原勝が静かに座っていると、関口遥がミネラルウォーターを渡してきた。

「もう行こうぜ。結果は明らかだし、もう決まったようなもんだ」

「何を急ぐんだ。もう少し見ていこう」桑原勝は結果がわかっているにもかかわらず、急いで帰ろうとはしなかった。

突然、彼女が最後まで一人で立っているのを見たくないと思った。

たとえ彼女が自分のこの行動を軽蔑したとしても気にしない。桑原勝は自分でも驚いていた。いつからこんな立派な人間になったんだろう？自分らしくないと思った。

15分の休廷の後、ついに再開廷となった。

「これより本法廷の判決を申し渡します」裁判官は眼鏡をかけ、ゆっくりと立ち上がり、手に判決文を持った。

全員が息を殺して結果を待った。ここは県高等裁判所であり、一度下された判決は強力な法的効力を持つ。

当事者が不服の場合、東京の最高裁判所に上告する以外に、他の裁判所では本件を受理することはできない。