第354章：桑原様の宣戦布告（6）

「ふん、大きく出たな」西尾聡雄は嘲笑った。

「私は言ったことは必ずやり遂げる。二十数年生きてきて、欲しいものを手に入れられなかったことなんてない」

「そうかい？今回は失望することになるだろうね。誰も私から青木岑を奪うことはできない。誰であろうと、君も含めてね」西尾聡雄は極めて横暴な口調で、まるで全世界に宣言するかのように言った。

「それじゃあ、見ていればわかるさ」桑原勝は軽く口角を上げ、背を向けて立ち去った。

西尾聡雄は冷ややかに鼻を鳴らし、酒楼を出た……

そして青木岑のフォルクスワーゲンCCの助手席に滑り込んだ。

「えっ？どうして乗ってきたの？自分の車は？」

「会社の人に電話して取りに来てもらったよ」

「あの……なんで？」

「君の運転する車に乗りたかったからさ」

「私の運転、すごく下手だよ」青木岑は強調した。