「うん、そうね。東京に行かなきゃ。こんなにモヤモヤしたままじゃいけないわ」
緊張しすぎて思考力を失っていたのか、青木岑にそう言われて、吉田秋雪の気持ちは少し落ち着いた。
「この数日間は毎日******の注射で胎児を安定させましょう。食事にも気をつけて。それと...しばらく仕事は休んで、自宅で安静にしてください。体力が少し回復したら、すぐに東京へ行きましょう。いいですか?」
「はい」吉田秋雪は青木岑の提案がとても良いと思い、頷いた。
昨夜の一連の検査は、深夜の12時半までかかった。
青木岑は吉田秋雪を車で家まで送り、それから帰宅した。
家に着いたのは1時近く、疲れ果てた体で浴室に入り、熱いシャワーを浴びた。
出てきたとき、吉田秋雪からメッセージが届いているのに気付いた。
「ありがとう、青木岑。今日はあなたが一緒にいてくれて本当に良かった」