第387章:千佐子の蜜月(9)

西尾社長は三人を連れて、エレベーターで2階のクンシラン宴会場まで直接降りていった。

ドアを開けた瞬間、青木岑は閃光灯が眩しすぎて……

目を開けていられないほどだった……

「西尾社長……」多くの人々が挨拶しに集まってきた。

約300~400平米の会場は、西洋式のパーティー会場として設えられ、大勢の人で賑わっていた。

「西尾社長、お越しいただき、そろそろ時間です」ホテルの総支配人が前に進み出て、慎重に言った。

西尾聡雄は頷き、すぐに青木岑の方を向いて「少し待っていてくれ」と言った。

「はい」

その後、西尾聡雄はホテル総支配人の案内で壇上へ……

「それでは、当グループのボス、西尾聡雄より御挨拶を申し上げます」

大きな拍手が沸き起こった……

「あなたの旦那様、今この瞬間、頭上に後光が差しているように見えない?」熊谷玲子が笑いながら尋ねた。