青木岑が吉田秋雪の家に車で着いたのは、二十三分かかった。
そこも高級マンションで、当時の家と内装は吉田家が出資したと聞いている。
青木岑がドアをノックすると、しばらくして、吉田秋雪がドアを開けた。
青木岑は彼女を見た瞬間、心が凍りついた……
吉田秋雪の顔色は悪く、真っ青で、白いネグリジェの下に見える血の跡が、とても目に痛かった。
「どうしたの?」青木岑は衰弱している吉田秋雪を支えた。
「お腹が少し具合悪くて、体中力が入らなくて……南区まで連れて行ってくれない?」
「南区?どうして第一病院じゃないの?あっちの方が医療設備が整ってるのに?」青木岑は驚いて言った。
吉田秋雪は首を振って、「同僚に私のことを知られたくないの、お願い、岑」
吉田秋雪の懇願する目を見て、青木岑は最終的に妥協し、彼女を支えて階下まで行き、車で南区まで連れて行った。