第390章:千佐子の蜜月(12)

「夢遊病じゃないよね?どうやってここに入ったの?」

「抱きかかえて連れてきたんだ」

「服は?」青木岑は少し呆然として尋ねた。

「僕が脱がせたんだ……」

「つまり……今の状況は、あなたが私の入浴を覗いているってこと?」青木岑はもう崩壊寸前だった。

西尾聡雄は浴室の中の椅子に座って、タブレットで株価の動きを見ながら、妻の入浴を眺めていた。

「覗いているんじゃない、一緒にお風呂に入っているんだよ」西尾聡雄は訂正した。

「まったく、こんなに厚かましくて極端な人いないわ。よくもまあ堂々と私の入浴を覗くわね」青木岑は怒りで笑ってしまった。

「私たちは夫婦だから、覗きという概念はない。すべて合法的だ」西尾聡雄はタブレットを置き、正々堂々と言った。

「わかったわ、じゃあ西尾様、今ちょっと出ていってくれない?これから体を洗うから」