「とてもいいわ」青木岑は魅力的な笑みを浮かべ、朝一番の爽やかな笑顔を見せた。
「朝食は部屋で食べる?それともレストランに行く?」彼は彼女の小さな手を取って尋ねた。
「レストランに行きましょう。今から支度するわ」そう言うと、青木岑は起き上がろうとした。
突然、彼女の表情が一変した……
「どうしたの?」彼女の様子がおかしいことに気づいた西尾聡雄は焦って尋ねた。
「私……あの……来ちゃった」
「何が?」西尾聡雄は意味が分からず聞き返した。
「生理……」青木岑は泣きそうな顔をした。
西尾聡雄はようやく理解し、青木岑の布団をめくると、下に濃い赤い血の跡が広がっていた。
「あー……」西尾聡雄も完全に言葉を失い、何を言えばいいか分からなくなった。
でも、生理が今朝来てよかったと本当に感謝していた。昨夜のような一夜の情事が台無しになるところだった。
「動かないで。ナプキンを持ってきてもらうから」青木岑を落ち着かせると、西尾聡雄は携帯を取り出して電話をかけた。
3分後、ホテルスタッフがドアをノックした……
西尾聡雄はドアを開けに行った。
「西尾社長……こちらご要望の品です」
西尾聡雄は頷いて手提げ袋を受け取った。中には大小5パックの生理用ナプキンと、新品の下着が数枚入っていた。
「早く着替えてきて」
「うん」青木岑は頷き、少し恥ずかしそうにナプキンと下着を受け取ってバスルームに入った。
30分後
彼女は身支度を整え、薄化粧をして出てきた。昨夜のイブニングドレスを着ていた。
西尾聡雄はそれを見て首を振った。「それは着ないで。カジュアルな方に着替えて」
「どうして?」青木岑は不思議そうに聞いた。このドレスは綺麗じゃないの?
「ドレスが薄すぎる。この数日は冷やさないように」
「そうね」やはり西尾様は気が利くと、青木岑はすぐにバスルームに戻り、来た時に着ていたカジュアルな服装に着替えた。
二人がもたもたしているうちに、レストランに着いたのは9時近くになっていた……
佐藤然と熊谷玲子は遅れてきた二人を見て感慨深げに言った。「二人とも昨夜は激しかったんだろうな。夜明けまで戦っていたから、こんなに遅くなったんだろ?」
もちろん、こんな厚かましい発言をしたのは佐藤然だった……
青木岑はいつものように反論せず、むしろ顔を赤らめた……