第413章:どちらがより残酷か(3)

「本当に来たのよ。嘘じゃないわ。あの女ったら、とんでもないわ...」西尾奥さんは矢継ぎ早に話し続けた。

西尾聡雄は長い間黙っていたが、静かに言った。「母さん、僕は彼女を愛しているんだ」

「なんてふがいないの。あの子が私に何て言ったか知ってる?あなたと結婚して、それから離婚するのは、財産を分けてもらうためだって」

「そうだったらいいのに。お金なら幾らでもある。彼女がお金が欲しいなら、いくらでも上げられる。ただ、離れないでくれさえすれば」西尾聡雄はゆっくりと言った。

「あの女ったら、急に離婚しないって言い出して。私を死ぬほど困らせたいからだって。これからずっと私の敵になるんですって。ねえ、なんて悪辣な女なの。若いくせに、こんなにも性根が腐ってる。西尾家は何か悪いことでもしたのかしら。息子、どうしてこんな女が好きなの?世界中にこんなにたくさんの女性がいるのに、なぜ二度目なの?お母さんを死なせたいの?」西尾奥さんは息子に青木岑の悪事を告げ口しようとしたのに、息子はまったく頼りにならないようだった。