「お母さん、もしそんなに決然とした態度を取るなら、私からも言わせてもらいます。青木岑に何かあれば、私も一緒に消えます。そうすれば、私を永遠に失うことになりますよ」
西尾奥さんは、息子がここまで毒されているとは思わなかった……
「聡雄、自分が何を言っているのか分かっているの?」西尾奥さんはヒステリックに叫んだ。
「よく分かっています」
「一人の女のために、死ぬなんて言うの?」
「はい、信じられないなら試してみてください」
「まさか……二十数年育てた息子が一人の女のために死ぬなんて……」西尾奥さんは突然天が崩れるような気がした。
「青木岑を困らせないでください。私は一生彼女と離れません。お母さん……これが最後の忠告です」
言い終わると、西尾聡雄は内線電話を押した……
永田さんがドアを開けて入ってきた……