「だからこの話題にこだわるつもりなの?」
「子供が生まれるまではね……」
青木岑:……
「はいはい、あなたの勝ちよ」彼女は西尾聡雄の図々しさと可愛らしさに、もう何も言えなくなっていた。
食事の後も、相変わらず西尾聡雄が皿洗いをする。青木岑は自分には家事の才能が本当にないと感じていた。少なくとも西尾聡雄の前ではそうだった。
床掃除も彼ほど早くできないし、皿洗いも彼ほどきれいにできない。
料理も彼ほど美味しく作れない。もちろん、洋食に限ってだが。
だから、彼女の西尾様は本当に完璧な万能夫で、リビングルームでもキッチンでも活躍できる。
西尾聡雄が全ての家事を終えると、青木岑とソファーで退屈なアニメを見ていた。
二人でポテトチップスを食べながら、雑談をしていて……
「ねえ、お母さんは私のことを一生恨むつもりなのかしら?」
「どうしてそう思うの?」西尾聡雄は頭を下げて優しく尋ねた。
「ネットで見たんだけど、お姑さんと嫁は天敵なんですって。まるでお姑さんがゲームをプレイして、何年もかけてサブアカウントを育てたのに、突然『嫁』っていうハッカーにアカウントを盗まれたみたいなもの。気分がいいわけないでしょ?」
「えっと……お前、どこでそんな話を聞いたんだ?」西尾聡雄は驚いた。
「ネットで見たのよ。それに、おばあちゃんがなぜ孫の嫁を好きになりやすいか知ってる?」
「知らないな」西尾聡雄は首を振った。
バリバリとポテトチップスを噛みながら、青木岑はゆっくりと言った。「それはね、敵の敵は味方だからよ」
「えっと……」
「はいはい、今回は奥さんの勝ちだ」西尾聡雄はインターネットの影響力の大きさに感心せざるを得なかった。
青木岑の言葉は滑稽だったが、なんだか理にかなっているようにも思えた……
二人は9時過ぎまでおしゃべりを続け、最後に青木岑は眠くなってきた。
西尾聡雄は彼女を抱きかかえて2階の寝室まで運んだ……
西尾聡雄は浴室のバスタブにお湯を入れた後、出てきて青木岑を呼んだ。「お湯が準備できたよ、お風呂に入れるよ」
「うん」青木岑はぼんやりしながら中に入った。
反応する間もなく、西尾聡雄に浴室で押し倒されてしまった……
二人のバスローブはまだ脱ぎきれていないうちに、水しぶきで全部濡れてしまった。