第436章:私のことを西尾奥さんと呼んで(6)

「だからこの話題にこだわるつもりなの?」

「子供が生まれるまではね……」

青木岑:……

「はいはい、あなたの勝ちよ」彼女は西尾聡雄の図々しさと可愛らしさに、もう何も言えなくなっていた。

食事の後も、相変わらず西尾聡雄が皿洗いをする。青木岑は自分には家事の才能が本当にないと感じていた。少なくとも西尾聡雄の前ではそうだった。

床掃除も彼ほど早くできないし、皿洗いも彼ほどきれいにできない。

料理も彼ほど美味しく作れない。もちろん、洋食に限ってだが。

だから、彼女の西尾様は本当に完璧な万能夫で、リビングルームでもキッチンでも活躍できる。

西尾聡雄が全ての家事を終えると、青木岑とソファーで退屈なアニメを見ていた。

二人でポテトチップスを食べながら、雑談をしていて……

「ねえ、お母さんは私のことを一生恨むつもりなのかしら?」

「どうしてそう思うの?」西尾聡雄は頭を下げて優しく尋ねた。

「ネットで見たんだけど、お姑さんと嫁は天敵なんですって。まるでお姑さんがゲームをプレイして、何年もかけてサブアカウントを育てたのに、突然『嫁』っていうハッカーにアカウントを盗まれたみたいなもの。気分がいいわけないでしょ?」

「えっと……お前、どこでそんな話を聞いたんだ?」西尾聡雄は驚いた。

「ネットで見たのよ。それに、おばあちゃんがなぜ孫の嫁を好きになりやすいか知ってる?」

「知らないな」西尾聡雄は首を振った。

バリバリとポテトチップスを噛みながら、青木岑はゆっくりと言った。「それはね、敵の敵は味方だからよ」

「えっと……」

「はいはい、今回は奥さんの勝ちだ」西尾聡雄はインターネットの影響力の大きさに感心せざるを得なかった。

青木岑の言葉は滑稽だったが、なんだか理にかなっているようにも思えた……

二人は9時過ぎまでおしゃべりを続け、最後に青木岑は眠くなってきた。

西尾聡雄は彼女を抱きかかえて2階の寝室まで運んだ……

西尾聡雄は浴室のバスタブにお湯を入れた後、出てきて青木岑を呼んだ。「お湯が準備できたよ、お風呂に入れるよ」

「うん」青木岑はぼんやりしながら中に入った。

反応する間もなく、西尾聡雄に浴室で押し倒されてしまった……

二人のバスローブはまだ脱ぎきれていないうちに、水しぶきで全部濡れてしまった。