第461章:命がけの大逃亡(1)

後続の車がどんどん迫ってきて、青木岑はアクセルを踏み込み、さらにスピードを上げた……環状高速道路で時間を稼ぎ、ぐるぐると彼らを引き回して、佐藤然の部下が来るのを待てば、すべて安全になるはずだと考えていた……

市本部刑事課

「急いで、位置を特定しろ」佐藤然は青木岑からの電話を受けて非常に焦っていた。西尾聡雄が家にいないのに、青木岑に何かあったら、親友にどう説明すればいいのか。しかも青木岑が直接電話をかけてきて助けを求めているのだ。

「佐藤隊長、特定できました。南環状線です」

「第一分隊は私と行動を共にする。すぐに救助に向かう。第二分隊は反対側から包囲して、犯人たちの退路を断て……第三小隊は待機。緊急事態になったら即座に支援に入れ」

「はい、隊長」

「出発する」

その後、佐藤然率いる第一分隊が出発し、南環状線に向かって急行した。パトカーが先導し、非常にスムーズに進んでいた。

「兄貴、この女、俺たちを振り回してるだけじゃないすか……見てください、どこかに行きたいわけじゃなくて、ただこの高速道路をぐるぐる回ってるだけです。もう三周目ですよ」

「まずい、明らかに時間稼ぎだ。警察に通報されたことに気付いたんだろう。急げ、何とかして高速を降りて人気のない道に追い込まないと、手出しができない」

「兄貴、分かりました。この先七キロに村民が作った抜け道があります。GPSにも載ってない道なんで、あそこなら安全です」

「よし、そこだ。もっと飛ばせ、あいつを抜け道に追い込め」

青木岑は、高速道路で安全に何周か回って、佐藤然が来るのを待てば大丈夫だと思っていた。

しかし、物事を単純に考えすぎていた。誘拐犯たちを愚かだと過小評価していた……

車が七キロほど走った時、前方に突然どこからともなく青いトラックが現れ、青木岑の進路を遮った。そのトラックは故障したらしく、修理中のようだった……

青木岑が衝突しそうになり、止まるか、後ろの追手に捕まるかの選択を迫られた。

あるいはバックして引き返すか。しかしそれも危険で、後続車と衝突するか、捕まる可能性が高かった。

青木岑が迷っているとき、突然そこに未舗装の分岐路があることに気付いた。そこを直進できそうだった。

路面状態は良くなかったが、試してみる価値はあると思った……