第472章:24歳の誕生日(2)

「警察署には、静かに処理して、情報を漏らさないように伝えてください。広報部からは、岩本奈義が病気で芸能界を引退し、海外で治療を受けると発表させましょう」

「はい」広瀬さんが頷いた。

佐藤然が市本部で宅配物を受け取った時、すぐに人を連れて岩本奈義を逮捕しに行った。

証拠が十分すぎたからだ。その中には岩本奈義と仲介者との電話録音が含まれていた。

岩本奈義のアシスタントが仲介者に送金した記録、さらには以前ある女優を排除するよう命じた際の動画まであった。

まさに証拠の山...佐藤然は誰がこれらを送ってきたのか分からなかったが、岩本奈義という女は終わったと分かっていた。

スター的な身分で、スターキングの所属タレントということもあり、この件は極めて静かに処理され、直接拘留された。

対外的には、スターキングは単に岩本奈義が海外で治療を受けると発表し、メディアもこぞってうつ病になったと報道した。

プレッシャーが大きすぎたとか何とか...

青木岑が療養院でこれを見た時、少しも意外に思わなかった。

桑原勝が真相を究明すると信じていたし、一旦桑原勝が真相を知れば、おそらく岩本奈義に対して優しくはないだろうと。

彼女は桑原勝が今、自分に夢中な状態だということを知っていたので、きっと岩本奈義を許さないはずだと。

しかし桑原勝が直接岩本奈義を刑務所に送り込むとは思わなかった...

大量の証拠と前科があったため、岩本奈義は警察の起訴後、一審で懲役8年の判決を受けた。

しかし本人が不服で控訴する予定のため、二審を待つことになる...

佐藤然が処理を終えた後、青木岑にLINEを送った。

「この件は西尾聡雄の仕業なのか?やり方が徹底的だな。証拠が十分すぎる、恐ろしいほどに」

岩本奈義のような女にとって、8年の刑務所生活は彼女の人生全てを破壊するものだ。

8年あれば、大スターから囚人へと転落し、全てを失うことになる...

所有財産も全て差し押さえられ、マネージャーも共犯として1年9ヶ月の刑を言い渡された。

「彼じゃないわ」

「彼じゃないなら誰だ?」

「それは聞かないで。とにかく西尾聡雄には知らせないでね」青木岑は桑原勝を利用した後、心の中で少し不快感を覚えていた。

しかしこれこそが岩本奈義への適切な懲罰となるのだ。