第471章:24歳の誕生日(1)

「岩本奈義は今回確かに青木さんを狙いましたが、うまくいきませんでした。青木さんは危機を逃れ、警察に連絡して、犯人たちを刑務所に送りました。まだ市本部で拘留中で取り調べは行われていません。岩本奈義の仕業だという証拠がまだないからです」

そう言って、広瀬さんは分厚い資料と写真を渡した……

事の経緯がようやく分かった。岩本奈義の陰謀を見て、桑原勝の表情が一瞬で暗くなった。

「この女、よくも……」

「スターキングの所属タレントで、有名人だから大丈夫だと思ったんでしょう」広瀬さんは推測した。

「広瀬さん、この証拠を市本部の刑事課長の佐藤然さんに届けてください」

「社長、そうすると岩本奈義は……」

「行ってください、これは私の意向です」荒木社長は指示を出した後、ソファに寄りかかって目を閉じた。

一時間後、記者会見が終わり、岩本奈義がステージを降りて休憩室に向かおうとした時。

佐藤然と数人の警部に止められた。「岩本奈義さんですね?私は市本部刑事課長の佐藤然です。岩本さんに署までお越しいただきたいのですが」

岩本奈義の顔色が一変した……

「何の用ですか、佐藤隊長は冗談がお上手ですね」

「岩本さん、私は冗談を言っているわけではありません。ご協力をお願いします」

「私が誰だか分かっているんですか?」岩本奈義は怒り出した。

「もちろん存じています。最近あなたが何をしたかも把握しています」

「佐藤隊長は面白い方ですね。もしファンとしてサインや写真を求めるなら構いませんが、署まで同行するのは無理です。この後スケジュールがありますので」

「そうですか?それならば申し訳ありませんが、連行します」

佐藤然の命令一下、二人の警官がすぐに前に出て、岩本奈義を拘束した。

「ちょっと、何をするんですか、離してください」岩本奈義は必死にもがいた。

「どこの署の者ですか?私たちの社長が誰か知っていますか?桑原さんを怒らせたら良くないことになりますよ。早く岩本奈義さんを解放してください」マネージャーは桑原勝の名前を出して威圧しようとした。

「ふふ……私のところでは、たとえ天皇陛下でも罪を犯して証拠を掴まれれば、同じように連行されます」

そう言って、数人で岩本奈義を連行しようとした……

ちょうどその時、桑原勝も中から出てきた……