第471章:24歳の誕生日(1)

「岩本奈義は今回確かに青木さんを狙いましたが、うまくいきませんでした。青木さんは危機を逃れ、警察に連絡して、犯人たちを刑務所に送りました。まだ市本部で拘留中で取り調べは行われていません。岩本奈義の仕業だという証拠がまだないからです」

そう言って、広瀬さんは分厚い資料と写真を渡した……

事の経緯がようやく分かった。岩本奈義の陰謀を見て、桑原勝の表情が一瞬で暗くなった。

「この女、よくも……」

「スターキングの所属タレントで、有名人だから大丈夫だと思ったんでしょう」広瀬さんは推測した。

「広瀬さん、この証拠を市本部の刑事課長の佐藤然さんに届けてください」

「社長、そうすると岩本奈義は……」

「行ってください、これは私の意向です」荒木社長は指示を出した後、ソファに寄りかかって目を閉じた。