「自分から誕生日プレゼントをねだるなんて、恥ずかしくないの?」西尾聡雄は冗談めかして笑った。
「知らないわよ。早く渡してよ」青木岑は初めてわがままを言って甘えた。まるで少女のように、7年前と同じように、理不尽で我儘だったが、西尾聡雄に甘やかされて天真爛漫だった。
「いいよ、食事が終わったら渡すから」
「じゃあ、急いで食べちゃう」そう言って、青木岑は急いで食べ始めた。
シーフードディナーの後、西尾聡雄は車で彼女をある場所へ連れて行った。
それは彼女が今まで一度も行ったことのない場所だった……
「どこに行くの?」見覚えのない道を見て、青木岑は不思議そうに尋ねた。
「誕生日プレゼントを取りに行くんだ」西尾聡雄は神秘的に答えた。
「冗談でしょう?まさか私のプレゼントを山奥に穴を掘って埋めたりしてないでしょうね?」車が南山の方向に向かっているのを見て、青木岑は笑いながら聞いた。