第476章:24歳の誕生日(6)

「桑原勝?なぜそんな格好をしているの?」

宅配便の配達員が実は桑原勝の変装だと分かって、青木岑は狂いそうになった……

「最近メディアが私につきまとっているから、昼間の外出は気をつけないとね」

「私に用?」

「会いたくなったから、会いに来ただけだよ」桑原勝は気軽に青木岑の向かいの椅子に座った。

青木岑は黙り込んだ……

「岩本奈義のことは、すまない」

「謝る必要なんてないわ。あなたのせいじゃないもの」青木岑は顔を上げて桑原勝を見た。

「私が伯仁を殺さずとも、伯仁は私のために死んだのと同じ理屈だ。私の過ちではないが、岩本奈義は私のせいで君に手を出した。君が無事で良かった。そうでなければ、一生後悔することになっていただろう」

「そんなこと言わないで。あなたが私の仇を討ってくれたじゃない?証拠を送ったのはあなたでしょう?」