第492章:断ち切れない毒(2)

原幸治はニコニコしながら気軽に話していたが、その意図は単純で、西尾聡雄に青木岑のことをもっと大目に見てほしいということだった。

西尾聡雄は、この義理の弟が親の脛をかじるような二世祖ではないことに安心した。

まだ若いが、しっかりしていて、姉への愛情も深い。

「安心して、僕は絶対に彼女を傷つけたりしない」西尾聡雄は幸治に男同士の約束をした。

「義兄さん……まだちゃんとお礼を言えてなかったんですが、何も言わなかったけど、学校での待遇とか、奨学金とか、いい話は全部私が優先されて、きっと義兄さんが学校に話を通してくれたんですよね?」原幸治は後頭部を掻きながら尋ねた。

西尾聡雄は直接答えず、逆に質問した。「幸治、卒業後はどうするつもり?」

「まだ決めてないけど、まずは仕事を見つけて、お金を稼いで姉さんと一緒に家計を支えたいです。」

西尾聡雄は賞賛するように頷いた。「どんな専門分野をやりたいか、その時に教えてくれれば、GKの傘下には多くの子会社があるから、きっと君に合う会社が見つかるはずだ。最初は下積みからだけど、多くのことを学べる。時期が来たら本社で私を手伝ってくれればいい。もちろん、これは私からの誘いと提案で、最終的には君次第だ。」

「本当にGKに行けるんですか?」原幸治は少し驚いた様子だった。

「もちろんさ。君は青木岑の弟、つまり私の弟だ。家族の事業なんだから、来るべきだよ。」

原幸治が何か言おうとした時、青木岑が外から濡れた手で入ってきた……

「何を話してるの?楽しそうね」彼女は微笑みながら尋ねた。

「何でもないよ、幸治が僕に君を虐めないようにと言っていただけさ」西尾聡雄が答えた。

「ハハハ、心配しないで、このバカ。お姉ちゃんはこんなに強いんだから、誰も虐めたりできないわ。むしろ私が人を虐めるくらいよ。」

青木岑は愛情たっぷりに原幸治の頭を撫でた。姉が弟に対する愛情が顔に表れていた。

一時間以上かけて、青木岑は母の手伝いをして、八品の料理を作った。

全て母の得意料理で、豚の角煮、醤油豚足、マーラー風タラ、ゴーヤと卵炒め、手作りソーセージ、塩茹で海老、松の実入りコーン、ピーマンとレバー炒め、さらに五目スープも作った……ほとんど全て青木岑の大好物だった。

「ママって偏り過ぎだよ、全部お姉ちゃんの好きな料理ばかり」原幸治はわざとからかった。