第10章:頭の良すぎる変態(その1)

「クルーズ船から降りることはありませんが...ただ、次の試合に進む資格を失い、観客としてしか参加できなくなります」と西尾聡雄は言った。

「ああ、それならよかった」負けた人が追い出されることはないと聞いて、青木岑も安心した。

「あなた、心配する必要ないわよ。その天才的な頭脳があれば、千円の脱落者の中にあなたが入ることはないわ」熊谷玲子は青木岑の首に腕を回して親しげに笑った。

「お姉さん、私はあなたが脱落して追い出されることを心配してるのよ」青木岑は呆れたように熊谷玲子を見た。

「ハハハハ」佐藤然は止まらずに笑い続けた。

「笑うなよ、人の不幸を喜ぶんじゃないわよ。もしかしたら、あんたの方が私より早く脱落するかもしれないわよ」熊谷玲子は佐藤然を睨みつけた。

「ありえない。俺のIQは青木岑ほど高くないかもしれないが、絶対にその千円の一人にはならない。少なくとも明日まではもつはずだ」佐藤然は自信満々に言った。