第12章:頭の良すぎる変態(その2)

「ご招待ありがとうございます。でも、まだ遊びたいので、先に行ってください」青木岑は微笑んで、関口遥の誘いを丁重に断った。

そして、ゆっくりと一周歩き回って見ると、多くの人がすでに我慢できずに席に着いているのが分かった。

青木岑は運試しをしようと思い、ちょうど隣のテーブルに一人分の空席があるのを見つけたので、そこに座った。

向かいには年配の女性が座っていた。五十歳くらいで、濃い化粧をし、少し太めで、髪を束ねており、口にタバコをくわえていた。その表情からして善人とは思えなかった。

左側には三十七、八歳くらいの眼鏡をかけた男性が座っていた。痩せ型で、平凡な顔立ちだった。

右側には太った禿げ頭の男性が座っていた。四十歳くらいで、ロレックスの時計をしており、拝金主義者という雰囲気が漂っていた。

「おや、若いお嬢さんが来たね。ゲームを始められるな」禿げ頭の男が下品に笑った。

他の人は何も言わず、横に立っていたディーラーがすぐに言った。「人数が揃いましたので、配れます。配る前に皆様アンティをお願いします」

タバコを吸っていた女性はすぐに二万円分のチップを投げ入れ、その後眼鏡の男も投げ入れた。

青木岑と禿げ頭の男は同時に投げ入れ、合計八万円のアンティとなった。これから始まるベットも二万円以下にはならないだろう。かなりの高額な勝負になりそうだが、一発勝負のような刺激的な展開にはならなさそうだった。

「では、配ります」ディーラーは白い手袋をはめて、トランプを配り始めた。

ショーダウンポーカーは比較的シンプルで、全部で28枚のカード、8-9-10-J-Q-K-A。

そして大小を比べる。最初に各プレイヤーは2枚のホールカードを受け取り、それは自分だけが見ることができる。その後3枚のアップカードが配られ、それは全員が見ることができる。

最後に大小を比べる……

青木岑の運は良くなく、受け取った2枚のホールカードは8と9だった。

もし2枚とも8なら、もう1枚の8を引いてスリーカードを狙えたが、8と9では実に運が悪かった。

青木岑はタバコを吸っている女性が、ホールカードを見た後に一瞬だけ口角を上げて満足げな表情を浮かべたのに気付いた。

その後ディーラーがアップカードを配り始めた。タバコを吸う女性の1枚目はK、禿げ頭の男はJ、眼鏡の男はJ、青木岑はQだった。