「今回の賭神の夜は知能を試されるからね」
「つまり、私の知能を試そうってこと?」青木岑は笑いが止まらなかった。
「違うよ、僕は君の知能を自慢したいんだ。世界中に僕の妻がどれだけ凄いか見せたいんだ」
「へへ...そのお世辞は九点あげるわ。残りの一点は調子に乗らないようにね」
「ということは...承諾してくれたの?」
「でも三日三晩は長すぎるわ。仕事に支障が出るじゃない」青木岑はまだ少し気が進まない様子だった。
「もう吉田信興に電話しておいたよ。断る勇気なんてないはずさ」
青木岑:……
「あなた、吉田院長をそんな風に脅すのはどうかしら?私にいじめられたりしないかしら?」
「もし君をいじめるようなことがあれば、吉田信興は院長を続けたくないってことだな」西尾聡雄はゆっくりと言った。
「西尾様、そんなに強引なの、奥さんは知ってるの?」青木岑は顎に手を当て、西尾聡雄の妖艶な顔をじっくりと観察した。
「妻は知ってるさ。だってベッドの上でも、僕は同じように強引だからね」
青木岑は即座に顔を覆い隠した。顔が火照るように熱くなる。こんな露骨な誘い方って本当にいいの?
南山城という家も青木岑は気に入っていた。人民元で築き上げられたものだから……
しかも執事もメイドも揃っていて、まさに贅沢の極みの生活だった。
でも彼女には西尾聡雄がここまで行き届いた配慮をする理由が分かっていた。将来、子供たちに優れた生活を送らせるためだから。
プライベートヴィラにて
桑原勝は十数周泳いで疲れ果て、プールから上がってきた。
関口遥がタオルを渡すと、彼は椅子に横たわり、目を閉じて休んでいた……
「ローレンス真珠の夜...きっと面白いだろうな」
「面白くても行かないよ。どんなに楽しくてもラスベガスには及ばない。成金どもが上がって騒ぐだけだろ。面白いと思うなら、矢野川と二人で行けばいい」桑原勝は興味なさそうだった。
「成金?ちゃんと調べたの?西尾聡雄が行くって知ってる?あの人が成金に見える?」
「西尾聡雄も行くの?」桑原勝は急に興味を示した。
「西尾聡雄だけじゃない、青木岑も行くと思うよ」
「誰が言ってるんだ?」
「俺が言ってるんだ」関口遥は自信満々だった。
桑原勝:……
「お前、自分を神様だと思ってんのか?未来が予知できるとでも?」