第19章:知能指数の高い変態(9)

「お嬢さん、一人なの?」男の声掛けの仕方は実に古臭かった。

「何か用?」青木岑はその男を見て、不思議に思った。

「今日は君に負けたけど、確かに凄かったよ。友達になろう。俺は平野遥だ。」

「申し訳ないけど、私は見知らぬ人とは友達にならないの。」青木岑は高飛車モードに入った。

「仲良くなれば他人じゃなくなるさ。」

「問題は、私があなたと仲良くなりたくないってことよ。」

「ふん...どうした?お嬢ちゃん、私の金を勝ち取ったら手のひら返しかい?」男は面子が保てなくなり、口調が変になってきた。

「負けを認められないあなたが、後から文句を言いに来たんでしょう?」

「俺が負けを認められない?お前、俺が誰だか知ってるのか?俺の親父が誰か知ってるのか?言えば驚くぞ...」

男の言葉が終わらないうちに、佐藤然が近づいてきた...