第18章:知能指数の高い変態(8)

「今日はいくら勝ったの?」桑原勝は本当は大声で『青木岑、好きだ』と叫びたかったのだが、決定的な瞬間に怖気づいてしまい、青木岑の目を見つめながら、告白するはずだった言葉を「今日はいくら勝ったの?」という、かなり素っ気ない言葉に変えてしまった。

「二十万円くらいかな」

「ああ、そう」

「じゃあ、私行くわ。何かあったら連絡してね」そう言って、青木岑は甲板から降りた。

桑原勝は部屋に戻ると、思いがけず上機嫌で、口笛を吹いていた……

関口遥はシャワーを浴びて貴妃寝椅子に横たわりながら笑って言った。「彼女に会えて、満足したの?」

「うん、満足した」桑原勝は隠そうともしなかった。

「さっきの君の彼女への眼差しがどんなだったか、自分でわかってないでしょ?」

「どんな眼差し?」桑原勝は不思議そうに関口遥を見た。