第17章:知能指数の高い変態(7)

「常識がないね。船酔いする人がタバコを吸うと症状が悪化するのに。タバコの匂いが感覚と脳を刺激して、もっと吐き気を強くするのよ」

桑原勝:……

関口遥:医師の言うことをよく聞きなさい。

桑原勝:彼女は医師じゃない、まだ看護師だよ。

青木岑:そんなに元気に私をけなすなら、私の助けなんて必要ないってことね?

そう言って青木岑は立ち去ろうとした……

「ちょ、ちょっと待って...そういう意味じゃないんだ。行かないで。船酔い...本当に辛いんだ」桑原勝は初めて柔らかい口調で話した。実は青木岑に船酔いを治してもらいたかったわけではなく、ただ彼女にもう少し居てほしかっただけだった。

青木岑は足を止め、不機嫌そうに振り返ると、桑原勝の服を掴んで寝室のベッドまで引っ張っていった。

そして、携帯していた小さなバッグから和光油を取り出し、指先に少しつけると、桑原勝の左のこめかみに優しく塗った。