「今はまだ何とも言えないわ。不審な点が多すぎるから」
「私たち、このまま村を離れるの?永田伯父の古い家を見に行かないの?」あの背筋が凍るような古い家のことを思い出し、青木岑は怖さを感じながらも、見に行きたいと思った。もしかしたら何か手がかりがあるかもしれないから。
西尾聡雄は首を振って言った。「危険すぎる。もし永田伯父が他殺だとしたら、今この瞬間も、犯人の目がその古い家を見張っているはずだ。私たち外部の者が村を訪れただけでも注目を集めているのに、さらに家に入り込もうとすれば、疑いを招くことになる。それに、彼が口封じのために殺したのなら、証拠なんて残すはずがない」
「納得できないの……」実際、西尾聡雄の言う理屈は青木岑にもわかっていた。でも、彼女の言う通り、納得できなかった。やっと実の両親に近づけたと思ったのに、また手がかりが途切れてしまった。この気持ちは本当に辛かった。