第52章:一体誰が盗撮?(2)

「私の可愛い坊や...あなたは芸能界でどれだけの年月を過ごしてきたの?まだその暗部が見えていないの?私から言わなければならないの?用心に越したことはないわ。今回の南区への来訪は極秘事項よ。もし暴露されたら、あなたの芸能活動に支障が出るわ...」

「分かってます」

青木岑は坂口晴人を送り届けた後、家に戻ったのは午前9時半だった...

西尾聡雄は日中会社で忙しいため、まだ帰っていなかった。二日間も西尾様に会えていないので、本当に会いたくてたまらない。

電話を手に取ろうとした時、ちょうど彼からビデオ通話がかかってきた。

青木岑は電話に出て、甘く微笑んで「こんにちは、西尾様」

「仕事終わった?」

「うん、今帰ったところ」

「今日はどうしてこんなに遅いの?」

「うん...職場で少し用事があって、いくつか処理することがあったの」

「見て、クマができてるじゃないか。この夜勤が終わったら、しばらく夜勤は控えめにしたほうがいいよ」西尾聡雄は心配そうに言った。

「うん、この夜勤が終わったら、来月は全部日勤よ。ご飯食べた?」

「朝ごはん?それとも昼ごはん?」西尾聡雄は笑った。

「もちろん朝ごはんよ...まだ9時過ぎだもの...」

「食べたよ...」

「じゃあ、今日帰ってくる?」

「君はまだ夜勤だし、帰っても退屈だから、会社で仕事を片付けることにするよ」

「そう...じゃあ休憩はちゃんととってね」

西尾聡雄としばらく雑談した後、青木岑は眠気が襲ってきた...

ソファーで丸くなって、眠りについた...

どれくらい眠っていたか分からないが、突然の着信音で目が覚めた...

着信画面を見ると、午前中のあの番号だった。

「はい...」

「財布を車に忘れてしまいました。中に必要な証明書が入っているので、持ってきていただけませんか?」

「ちょっと待ってください、車を確認してきます」

青木岑は携帯を持って階下まで小走りで降り、自分の車を開けると、助手席のフロアマットの上に確かにGUCCIの男性用財布が置いてあった。コーヒー色で、とても洗練されたデザインだった。

「確かにありますね。どちらまで持っていけばいいですか?」

「南区療養院です」

「また療養院ですか...かなり遠いので、夜勤に行く時に持っていきましょうか」