「どうしたのか教えてくれないなら、離さないぞ」青木重徳も前例のないほど真剣だった。
「ただ胃の調子が悪くなっただけよ」
最後には青木重徳に負けて、青木岑は降参し、うつむいて言った……
「胃の調子が悪いのか?」青木重徳は眉をしかめた。
青木岑が話す前に、彼は青木岑を薬局まで引っ張っていった。道のりは青木岑よりも詳しいようだった。
「オメプラゾール腸溶カプセルを一本」薬局の窓口で、青木重徳は焦りながら言った。
薬を取りに来た看護師さんは、ちょっと居眠りをしていたため動作が遅く……ぼんやりと立ち上がった。
「早くしろ」青木重徳が突然声を上げ、看護師さんはびくっとした。
彼女は怠慢にはできず、すぐに薬を取って青木重徳に渡した……
青木重徳は二千円札を一枚窓口に投げ入れ、青木岑を連れて立ち去った。