第79章:遊びたいなら、お主と付き合おう(9)

西尾聡雄が彼女をどこに連れて行きたいのか、青木岑はもう尋ねなくなっていた。尋ねても無駄だからだ。

これまでの経験から、もし尋ねたとしても、西尾様は「当ててごらん?」という二文字で返すだけだった。

あれこれ推測して、そんな頭を使うことを、青木岑はもうしたくなかった……

毎日南区であんなに疲れているのだから、帰宅してまで頭を使いたくなかったのだ。

そこで彼女は、西尾様が用意してくれたすべてを静かに待つことにした……

結局のところ、彼女にとっては、西尾聡雄と一緒にいられれば、どこでもよかった。

大衆食堂で食事をするのも、海辺で夜景を見るのも、市街地で映画を見るのも、郊外の夜市を散策するのも、ただ二人で街を歩くだけでもよかった。

20分後

市街地にある7階建ての眠らない街の入り口で、西尾聡雄は目立つマイバッハを停めた。