第76章:遊びたいなら、お主と付き合おう(6)

「いいえ、お父さんが好きなタバコってどれだったかなって考えてたの。この前行った時は青い箱だったのは覚えてるけど、名前を忘れちゃって。知ってる?ついでに何カートン買っていこうと思って」青木岑は気さくに言った。

青木岑の言葉に、西尾聡雄の心は温かくなった……

彼は彼女が怒っていると思っていたが、彼女は既に静かに父親のためにタバコを選んでいたのだ。

こんな女を、どうして愛さずにいられようか?

結局、青木岑はスーパーで580円のカートンの奈良を数カートン買った。それは西尾聡雄の父親が大好きなタバコだと聞いていた。

それから新鮮な果物も買い、青木岑は直接家に車を走らせた。

彼女が御苑に車を停めた時、西尾聡雄の車もちょうど到着した。

西尾聡雄は車から降り、荷物をマイバッハに移し、それから青木岑はシンプルなジーンズに白のキャミソール、黒のニットカーディガンに着替え、バッグを持って助手席に座った。