第82章:彼女が気にかけているのは彼だけ(2)

「必要ありません」青木岑はきっぱりと断った。

「いいじゃないか、チップは取らないよ」西尾聡雄は笑いながら言った。

そして青木岑が何か言う前に、その滑らかなネグリジェの中に手を滑り込ませた……

青木岑は全身の細胞が震えるのを感じた……西尾聡雄はいつもベッドの上で、その下品な本性を存分に発揮する。

結婚して長い間、何度も経験してきたけれど……

西尾聡雄の情熱的な態度に、青木岑はまだ自分が初々しい少女のように感じる。

恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい……

大事なことは三回言う……

「チップを取らなくても要りません」青木岑は体を反転させ、西尾聡雄の手を払いのけた。

拒みながらも誘うような笑みを浮かべて……

西尾聡雄は手を制止されても諦めず、頭を下げて青木岑の敏感な耳の後ろと首筋に口づけた。