桑原勝はゆっくりとカクテルのボトルを下ろした。「止める?なぜ止める必要があるんだ?」
「社長は彼女たちを...するつもりじゃなかったんですか?」
「私の計画に神田相子なんて女は最初から入っていない」と桑原勝は軽く笑った。
広瀬さんは悟ったように「社長の意図は、この機会に彼女を切り捨てるということですね」
「どうせここでも人気は下降気味だし、それに彼女は昔から落ち着きがなくて、会社を混乱させてばかりだった。この機会に去らせるのもいい。あんな人間はどこに行っても波風を立てるだけだ」
「社長の考えは完璧ですね。他の人たちは?」
「GK映像の開業まであとどのくらいだ?」
「あと二日です」
「ああ、いいだろう。他の者たちには予定通り進めさせればいい」
「はい」広瀬さんは頷いて、部屋を出て行った。