第125章:世界に残るのは私とあなただけ(5)

「今週末は……残業があるかもしれない」結局、青木岑は嘘をつくことにした。

会社の利益のために、青木重徳の個人的な要求を受け入れたことを、西尾聡雄に知られたくなかった。

その条件は無理なものではなかったが、彼女はどうしても西尾聡雄に言えなかった……

「ああ、じゃあ来週でいいよ、問題ない」西尾聡雄はそれ以上深く考えなかった。

二人は車で20分ほど走り、エビの辛味炒めのレストランに着いた。

店は広くはなかったが、インテリアはスタイリッシュで、古代の宿場町のような雰囲気で、すべて木材で作られていた。

「エビの辛味炒め?こんなの好きだったの?」青木岑は西尾聡雄とこれだけ付き合っていても、彼がエビの辛味炒めを食べることを知らなかったので、少し驚いた。

「誰かが招待してくれたんだ」

西尾聡雄は神秘的な笑みを浮かべた……

その後、彼は青木岑の手を取り、個室に入った……

中には3人が座っていた。一人は月下倶楽部のオーナー、リックだった。

他の二人は今日のトリを務めた国際スター、クリスティアーナとアンドリューだった。

「やあ……西尾君、こっちに座って」アンドリューは西尾聡雄を親しげに招いた。

「紹介するよ、こちらは私の妻の青木岑です」西尾聡雄は流暢なアメリカ英語で紹介した。

青木岑は微笑んで、流暢な英語で返した。「こんにちは、私は青木岑です。お会いできて嬉しいです」

その後、二人は席に着いた……

そして青木岑は驚いたことに、この数人が全員アメリカ英語で会話していることに気づいた……

幸い、彼女は高校時代に会話を完全にマスターしていたので、全く問題なかった。

しかし……唯一の問題は、彼らがアメリカ英語を話すのに対し、青木岑は海外経験がないため中国式の英語を話していて、それが少し滑稽だった。

クリスティアーナは青木岑の手を親しげに握り、英語で絶え間なく褒めた。「こちらの料理はとても美味しいわ。特にエビの辛味炒めと餃子が大好き。本当に素晴らしい味で忘れられないわ」

青木岑は笑顔で答えた。「気に入ったなら、もっと食べて、もう少し滞在してください」

「それは無理よ。まだたくさんのスケジュールが残っているの。今回は西尾君がチャンスをくれなかったら、いつここに来られたか分からなかったわ。あなたに会えて本当に嬉しいわ」