第139章：派手に恋愛関係を公表（9）

「どうしたの？」神谷香織は眉をひそめた……

青木源人も玄関の方を見て、「入らせなさい」と言った。

神谷香織がドアを開けると、青木婉子はパンダのような目で泣いていて、化粧も崩れていた……

青木婉子は入室すると、泣きながらさっきの出来事を話し始めた……もちろん、都合の悪いところは省いて。

青木源人は話を聞き終わって尋ねた。「また岑を罵ったのか？」

「私は……してません、ちょっと言っただけです」青木婉子は後ろめたそうに言った。

「隠す必要はない。この何年間、私はお前のことをよく分かっているだろう？何度も言ったはずだ。岑は昔とは違う。今は西尾社長の奥さんで、GKの若奥様だ。私たちは彼女の力を借りて、青木重徳に対抗する必要がある。なのに今や、お前が彼女を向こう側に追いやってしまった。青木重徳が岑を助けるのは当然じゃないか？今回の彼の誕生日に岑を呼び戻したのを見て、私は彼が岑を味方につけようとしているのが分かった」神谷香織はこの頭の悪い娘を見て本当に呆れた。

青木源人は顔を曇らせて言った。「婉子、お前の性格を改める必要がある。こんな無茶は続けられない」

「お父さん……私はインドに行きたくありません。海外に行かせないでください。隼人はフィリピンに行って、あんなに長く帰って来られなかった。怖いです」

なるほど、彼女が心配していたのは追放されることだったのか……

「心配するな。お父さんはお前を可愛がっているから、そんなことはしないわ」神谷香織は娘を気遣い、青木婉子の手を取って慰めた。

「私が生きている限り、養子如きに家を仕切らせはしない。この件は私が分かっている……だが、お前も無駄な事を起こすな……」

「分かりました、お父さん」父親が自分を守ってくれると聞いて、青木婉子はだいぶ安心した。

「最近は外出を控えめにしなさい……必要な時には政略結婚も考えている……」

「お父さん……私はまだ結婚したくありません」

「それはお前が決めることではない……大局を考えなければならない」青木源人は諭すように言った。

「婉子……桑原勝との件はまだ望みがあるの？」神谷香織は探るように尋ねた。

青木婉子は意気消沈して首を振った……