「えーと……ここに置いておきます」
「はい、ごゆっくりどうぞ」
青木岑は白衣に着替え、朝食を見つめながら、青木重徳は本当に細やかな人だと感じた。
朝食は豊富で、油条、温かい豆乳、漬物、小籠包が一箱あった。
食べようとした時、青木重徳からLINEが来た……
「朝食は届いた?」
「今届いたところ」
「うん、食べて。胃が弱いから、これからはなるべく空腹は避けてね」
「ありがとう」これは初めて、青木岑が敵意なく青木重徳に話しかけた言葉だった。
あの日、松山雪乃が契約した時でさえ、こんなに心からの「ありがとう」は言わなかった。
青木岑の胃の具合は昔からの持病だった……学生時代から朝食を食べるのが嫌いで、よく空腹のまま学校に行っていた。
最後には胃炎になってしまい……冷たいものや熱いもの、硬いもの、辛いものを食べると胃が痛くなるようになった。