「えーと……どこに行くの?私はこのあと仕事があるんだけど」青木岑は少し気がかりそうに言った。
「すぐ戻れるから、大丈夫よ。時間はかからないわ」
「うん」青木岑は頷いて、何も言わずに車のドアを開けて乗り込んだ。
十数分後、彼女たちは高級西洋レストランに到着した。
中島美玖は手を振って、「ウェイター、注文お願いします」
そして彼女は青木岑を見て、「ここのステーキはとても美味しいわ。私が注文してあげる」
「いいよ」
中島美玖はステーキを二人分、飲み物を二つ、フルーツサラダとアイスクリームを注文した。
そして二人は黙々と食事を始めた……
約30分後、食事を済ませて……
青木岑は興味深そうに尋ねた。「私を呼んだのは、一緒に食事をするためだけ?」
「違うわ、お見合いに付き合ってもらうの」
「ぷっ……お見合い……相手は?」青木岑は左右を見回したが、独身の男性は見当たらなかった。
「もうすぐ来るわ。12時半に約束したの。ちょうど私たちが食事を終えるころに」
「えーと……一緒に食事をしなくていいの?それって大丈夫?」青木岑は中島美玖が30分も早く来て、がっつり食べて、お腹いっぱいになってから、お見合い相手を待つというやり方に感心した。
「なんで待つ必要があるの?私、彼のことよく知らないし」中島美玖は当然のように言った。
「あなたみたいに優秀な人も……お見合いするんだね……」青木岑は心から中島美玖を尊敬していた。
彼女は若くて美しく、高学歴で、出身も良い……本当に欠点がない。
でもそんな女性がお見合いをしなければならないなんて、悲しいことだ……
「ABCDの法則って聞いたことない?」中島美玖は口元を拭いながら、青木岑に尋ねた。
青木岑は首を振った……
「まあいいわ、あなたいつ地球に来たの?」中島美玖は呆れたような目で青木岑を見た。まるで本当に宇宙人を見るような眼差しだった。
青木岑は自分はそれなりにトレンドに詳しいと思っていた。時々SNSもチェックするし。でも中島美玖の目には、突然宇宙人に見えてしまったらしい。