「アメリカで知り合った古い友人だよ」リックも遠慮なく言った。
「ああ...なるほど」関口遥がそう言って、納得した様子だった。
リックは西尾聡雄と同じく、控えめな大金持ちで、お金は十分あるのに、決して派手にはしない。
なぜならリックの家族は、表に出せないような商売をしているからだ...
少し言葉を交わした後、リックは西尾聡雄たちの個室に戻った...
しばらくカラオケを楽しんだ後、一行は月下倶楽部を後にした。
西尾聡雄は青木岑を連れて帰宅した...
「あなた、友人とはいえ、アンドリューとアンナに何もお礼をしないわけにはいかないでしょう」と青木岑が念を押した。
「心配いらないよ。すべて手配済みだ。お金は受け取らないだろうから、たくさんの中国の陶磁器を用意して持って帰ってもらった。アンナは君のことをとても気に入っていたよ」と西尾聡雄は誇らしげに笑った。