第149章：人気者は非難が多い（9）

「西尾社長、西尾奥さん、こんにちは」司会者の金子蘭は優雅に微笑んで、進んで握手を求めた。

「金子姉、こんにちは」青木岑は謙虚な態度を示した。金子蘭は40歳を超えており、手際の良い中年女性だったからだ。

「緊張なさらないで、どうぞお座りください」

金子蘭は手を振り、三人は用意されたソファーに座った……

「お二人はとても控えめで、めったにメディアに露出されないと聞いていますが、本当ですか？」金子蘭は笑顔で尋ねた。

青木岑は西尾聡雄を見て、西尾聡雄は彼女に答えるよう促した……

彼女は微笑んで答えた。「はい、私たち二人とも過度なプライバシーの露出は好きではありません。生活が乱れてしまいますから」

金子蘭：「そうですね。世間では西尾社長が既に結婚されていることを知らないほど、秘密を守られていましたね。結婚届を出されたのはいつ頃でしょうか？気になります」

青木岑：「4ヶ月ちょっと前です。もうすぐ5ヶ月になりますね」

金子蘭：「プロポーズはどのようにされたんですか？」

青木岑：「プロポーズはありませんでした。直接入籍しました。私たち高校の同級生で、よく知っている仲だったので」

金子蘭：「それに関して西尾社長にお聞きしたいのですが、アメリカに7年間留学されていて……その間お二人は連絡を取っていなかったとか。帰国後すぐに結婚というのは、皆さん不思議に思っているでしょう。代表して伺いますが、どのようなお考えだったのでしょうか」

西尾聡雄は数秒間黙った後、こう答えた。「単純なことです。何年も前に初めて青木岑を見た時から、彼女が私の妻になると決めていました。だから連絡を取っていようがいまいが、彼女と結婚することは私の人生で必ずやるべきことだったのです」

その後、会場は雷鳴のような拍手に包まれた……

西尾聡雄の断固とした回答に、誰もが人を愛する誠意を見た……

金子蘭：「わぁ……西尾社長がそんなに一途な方だとは思いませんでした。お二人は生活の中で喧嘩をすることはありますか？」

青木岑：「ほとんどありません。私たちは息が合っているので」

金子蘭：「意見が合わない時は、どちらの意見を採用するんですか？」

西尾聡雄：「妻の意見を基準にします」

会場からは驚きの声が上がった……