第144章:人気者は是非が多い(4)

中島美玖は振り返りもせずに、その一言を残して颯爽と去っていった……

そして、控えめなレクサスに乗り込んだ……

関口遥と矢野川は横顔しか見えなかった……

「あー……横顔美人だな……」関口遥も正面から見られなかったことを残念がった。

「レクサスに乗る小粋な女性か。きっと美人で脚が長いんだろうな。ただ、物言いがちょっときついな」さっき冗談を言って返り討ちにあったことを思い出し、矢野川もへこんでいた。

「人の物言いがきついって文句言うけど、お前が冗談で言った言葉だって嫌味だったじゃないか」関口遥は笑いながら言った。

「早くナンバープレートを撮れよ。後で交通課で調べられるから……」矢野川が提案した。

「やめとけよ……お前まだ前の件の尻拭いも終わってないだろ。女遊びは危険だぞ、デートは慎重にな」関口遥は善意で忠告した。