「あなって変な人ね……潔癖症なのに……私の食べ残しを食べられるなんて」
青木岑は高校時代のことを思い出した。同級生の女子が誤って西尾聡雄の服に牛乳をこぼしてしまったときのことを。
その時、その女子は本当に申し訳なく思い、クリーニング店に出すと言ったのだが……
西尾聡雄はその服を脱ぎ、そのままゴミ箱に捨ててしまった……
それ以来、その服のブランドを二度と着ることはなかった……
クラスメイト全員が彼の潔癖症を知っていて、近寄りがたい存在だった……
でも青木岑は彼の足を踏んだり、軍事訓練の時の迷彩服の袖を密かにハサミで切ったりできた。
彼の水筒に唐辛子の粉を入れることもできた……
彼の机で寝て、よだれを垂らすこともできた……
今思い返すと、本当に恥ずかしい思い出ばかり……