第172章:私の男に手を出すものは死ぬ(2)

「このごろ生意気になってきたんじゃない?お姉ちゃんをからかうなんて」

「からかってるんじゃないよ。ハハ、姉さん、本当に面白いよ。あのスモーキーメイクが似合うなんて。それに、オーラも芸能人に負けてないし。知らないメディアの人たちが、GKの新人だと思って、写真を撮りまくってたんだよ。ハハハ、笑えるよ」

山田悦子も笑って言った。「先輩は美人さんというわけじゃないけど、雰囲気は抜群だし、場を仕切るのも上手。私は先輩のようなタイプが好きよ。もし医者にならなかったら、きっと芸能人として成功してたと思う」

「あなたたち二人ったら...身内なんだから、お世辞はいいわよ。ありがとうとは言うけど、からかわないでね」

青木岑は箸をくわえながら、二人のやり取りを微笑ましく見ていた...

「幸治、お姉さんに対して無礼な態度を取っちゃダメよ。あなたはまだ子供だけど、お姉さんは結婚してるのよ。むやみに騒いじゃダメ。義理のお兄さんもいるんだから」と永田美世子は息子を諭した。

「大丈夫ですよ、おばさん。もう慣れましたから。幸治は実は岑のことをとても大切にしているんです」と西尾聡雄は、このような和やかな場面を久しぶりに目にした。

その間、野菜が足りなくなり、青木岑は野菜を洗いに立ち上がった...

幸治もこっそりと後を追った...

「姉さん...一つ聞きたいことがあるんだけど」

「なに?」

「赤ちゃんできた?」

青木岑:...

自分も焦っていないのに、幸治の方が焦っているみたいだ...

「どうしてそんなことばかり聞くの?」青木岑は幸治を不思議そうに見た。

「ハハ...母さんに頼まれたんだ。いつも電話してきて聞くけど、当事者以外に分かるわけないじゃない?」

「安心して、できたら必ず知らせるから」

「うん、へへ、僕も叔父さんになるの楽しみにしてるよ」幸治は舌を出した。

「まだ小さい?もう十九歳でしょ...」

「それでも子供だよ...」

「えーと...こっち来て、一つ聞きたいことがあるの」今度は青木岑が尋ねる番だった。

「なに?」

「あなたと悦子は...その...」青木岑は恥ずかしくて言い出せなかった。

でも幸治はすぐに理解した...