第205章：才能を輝かせて（5）

平野監督は手を振って否定した。「いいえ、奥様は邪魔どころか、素晴らしいアイデアを出してくれました...もちろん、御社のグループのために表紙の機会も一つ増やしてくれました。本当に賢明な女性ですね。」

平野監督はLIVIの監督として、これまで様々な女性を見てきた。

しかし、わずか数言で彼の目を見開かせた人物は、今まで青木岑だけだった。

この女性は驚くほど聡明で、物事を総合的に考え、さらに皆の気持ちも考慮する。

成功した男性の背後には賢明な女性がいると言われるが、この言葉は本当にその通りだ。

GKはこのような夫婦に経営されているのだから、発展しないはずがない。

「お腹が空いたでしょう...食事に行きませんか？」

西尾聡雄が仕事を終えると、永田さんから奥様が来ていて、こちらの撮影スタジオにいると聞いた。

彼は少し身支度を整えてすぐにやってきた。

「ちょっと待って、ダーリン...写真を撮りましょう。ちょうど一流のカメラマンがいるわ。」

「今？」西尾聡雄は少し意外そうだった。

「そう...私たち結婚してからウェディングフォトを撮る時間がなかったでしょう。せっかくのチャンスだわ。」

その後、西尾聡雄が何か言う前に、青木岑は彼の手を引いてセットの中に連れて行った。

そして平野監督にOKのサインを送った。

平野監督はすぐに意図を理解し、カメラマンに指示を出し、そのまま気軽に西尾聡雄と青木岑の写真を数枚撮った。

たった3セットだったが、どの写真も完璧だった...

青木岑は携帯を取り出し、パソコンの画面に映る写真を慎重に撮影した。

そして満足げに西尾聡雄と一緒に外に出た...

「写真を撮るのがそんなに嬉しいなら、もっと早く手配すべきだった。ごめんね、愛しい人...」

西尾聡雄は実は多くの後悔があった。当初、青木岑と入籍するのは本当に突然のことだった。

結婚式もなく、新婚旅行もなく、写真もなかった。

今思えば、本当に妻に申し訳ないことをした...

「何言ってるの？私はそんなこと気にしてないわ。ただ今日たまたまいい機会に恵まれただけよ。LIVIのカメラマンの撮影技術がどれだけ素晴らしいか知らないでしょう。このライティングを見て、美顔カメラより百倍も綺麗に撮れてるわ、ハハハ。」

青木岑は写真を左右から眺めながら、まるで子供のように喜んでいた。