第230章:青木醫師、診察をお願いします(10)

「決めました」

「どの科?」実は吉田院長も青木岑の選択を楽しみにしていた。

「神経内科です」

「はっはっは、よし、やはり君を見る目を間違えていなかった。内田部長が聞いたら喜んで眠れなくなるだろうな」

吉田院長は上機嫌で、爽やかに笑った……

「これは私の一方的な選択です。神経内科についてまだ不慣れな部分が多いので、試験に合格できるかどうかわかりません。もし恥をかかせてしまったら、どうか叱らないでください」

「君の能力は皆が認めているところだ。頑張りなさい。できるだけ早く試験を受けられるよう手配しよう」

「吉田院長……」

「何かな?」電話を切ろうとした時、青木岑が突然言った。

「吉田秋雪はシカゴでどうですか?」

「まあまあだよ。行ったばかりだから慣れるのに時間がかかるだろうが、両親もいるから安心だ」

「赤ちゃんは?」

「香月は良い子で、健康だよ」吉田院長は慈愛に満ちた声で言った。

「それは良かったです」

「寺田徹はもう解雇した……彼はそのことで病院で大騒ぎを起こし、さらにフォーラムで病院の悪口を書き込んでいる。彼はかなり極端な人間だと思うから、君も距離を置いた方がいいよ」

「はい、そうします」

「よし、では、これで」

吉田院長との電話を終えると、気持ちが晴れやかになった……

結局、青木岑は自分の心に従い、西尾聡雄の予想通り、神経内科を選んだ。

美玖がこのニュースを聞いたら、きっと喜ぶだろう。神経内科と心理学には多くの共通点があるからだ。

これからわからないことがあったら、中島博士に教えを請うことができるかな?はは。

うれしい気持ちで考えながら、青木岑は病院を後にした。

明日は会社の創立30周年記念式典だ。

そのため、今夜GK本社は徹夜で残業している。

青木岑はネットで多くの食事と飲み物を注文し、会社の従業員に届けた。

彼女自身も小籠包と野菜粥を買って西尾聡雄に持っていった。

社長室の前で

「奥様」永田さんが自ら声をかけた。

「社長はいますか?」

「はい、いますが……神田相子さんも中にいます」

青木岑は頷き、食事の入った箱を持って扉を開けた……

「社長、休憩しましょう。夜食です」青木岑は食事の箱をテーブルに置いた。

神田相子はソファに座り、大きなウェーブヘア……

真っ赤な口紅を塗って……