「決めました」
「どの科?」実は吉田院長も青木岑の選択を楽しみにしていた。
「神経内科です」
「はっはっは、よし、やはり君を見る目を間違えていなかった。内田部長が聞いたら喜んで眠れなくなるだろうな」
吉田院長は上機嫌で、爽やかに笑った……
「これは私の一方的な選択です。神経内科についてまだ不慣れな部分が多いので、試験に合格できるかどうかわかりません。もし恥をかかせてしまったら、どうか叱らないでください」
「君の能力は皆が認めているところだ。頑張りなさい。できるだけ早く試験を受けられるよう手配しよう」
「吉田院長……」
「何かな?」電話を切ろうとした時、青木岑が突然言った。
「吉田秋雪はシカゴでどうですか?」
「まあまあだよ。行ったばかりだから慣れるのに時間がかかるだろうが、両親もいるから安心だ」
「赤ちゃんは?」
「香月は良い子で、健康だよ」吉田院長は慈愛に満ちた声で言った。
「それは良かったです」
「寺田徹はもう解雇した……彼はそのことで病院で大騒ぎを起こし、さらにフォーラムで病院の悪口を書き込んでいる。彼はかなり極端な人間だと思うから、君も距離を置いた方がいいよ」
「はい、そうします」
「よし、では、これで」
吉田院長との電話を終えると、気持ちが晴れやかになった……
結局、青木岑は自分の心に従い、西尾聡雄の予想通り、神経内科を選んだ。
美玖がこのニュースを聞いたら、きっと喜ぶだろう。神経内科と心理学には多くの共通点があるからだ。
これからわからないことがあったら、中島博士に教えを請うことができるかな?はは。
うれしい気持ちで考えながら、青木岑は病院を後にした。
明日は会社の創立30周年記念式典だ。
そのため、今夜GK本社は徹夜で残業している。
青木岑はネットで多くの食事と飲み物を注文し、会社の従業員に届けた。
彼女自身も小籠包と野菜粥を買って西尾聡雄に持っていった。
社長室の前で
「奥様」永田さんが自ら声をかけた。
「社長はいますか?」
「はい、いますが……神田相子さんも中にいます」
青木岑は頷き、食事の入った箱を持って扉を開けた……
「社長、休憩しましょう。夜食です」青木岑は食事の箱をテーブルに置いた。
神田相子はソファに座り、大きなウェーブヘア……
真っ赤な口紅を塗って……