「わざとびっくりさせるなんて、人を驚かすと死ぬかもしれないでしょう?」
「はいはい、謝りますよ」
青木岑は彼を無視して、資料を整理し続けた……
「青木先生、本当に診察してほしいんです……最近、右手の手首が痛くて」
「それなら専門の整形外科に行くべきですよ。ここは療養院で、療養が目的なんです」
「分かってますよ。でも、私たち仲良いじゃないですか?お願いします」
桑原勝の誠実な眼差しを見て、青木岑は最後には仕方なく手元の資料を置いた。
「付いて来てください」
桑原勝は笑顔で立ち上がり、青木岑の後ろについて行った……
青木岑は専門の医師ではないので、桑原勝を整形外科の診察室に連れて行った。
幸い、まだ昼食に行っていない医師が一人診察室にいた。
「荒木先生、友人を診ていただけませんか。右手が痛いそうです」