第250章:彼女はついに危機感を感じた(10)

「ふん……正直、似てるところなんて全然ないわ」

おそらく青木岑は西尾聡雄のことをよく知りすぎていたため、その雰囲気の違いがすぐに分かったのだろう……

彼女は携帯を取り出して写真を撮り、熊谷玲子に送信した。

「マジかよ……やっぱりブライズメイドになったの?あなたって本当に聖女ぶってるわね」

熊谷玲子は大石紗枝が嫌いで、青木岑がブライズメイドを引き受けることに反対していた……

「お願いだから、それは重要じゃないでしょ?大石紗枝の旦那を見てよ、西尾聡雄に似てる?」

「まさか!二百万円くらいの差があるわよ……あなたの西尾様の雰囲気なんて持ち合わせてないわ。冗談はやめてよ」

「私も似てないと思う。みんなの噂が広がっただけかもね」

「いくらかかったの?」

「そんなに多くないわ、四万円だけよ」