「ふん……正直、似てるところなんて全然ないわ」
おそらく青木岑は西尾聡雄のことをよく知りすぎていたため、その雰囲気の違いがすぐに分かったのだろう……
彼女は携帯を取り出して写真を撮り、熊谷玲子に送信した。
「マジかよ……やっぱりブライズメイドになったの?あなたって本当に聖女ぶってるわね」
熊谷玲子は大石紗枝が嫌いで、青木岑がブライズメイドを引き受けることに反対していた……
「お願いだから、それは重要じゃないでしょ?大石紗枝の旦那を見てよ、西尾聡雄に似てる?」
「まさか!二百万円くらいの差があるわよ……あなたの西尾様の雰囲気なんて持ち合わせてないわ。冗談はやめてよ」
「私も似てないと思う。みんなの噂が広がっただけかもね」
「いくらかかったの?」
「そんなに多くないわ、四万円だけよ」