「うん、できちゃった結婚よ」大石紗枝は優しくお腹を撫でながら、満足そうに微笑んだ。
「おめでとう、おめでとう。これは本当におめでたいことね」青木岑は結婚前に赤ちゃんができた人たちを本当に羨ましく思った。
まさに天からの贈り物ね……
「あなたは?何か動きあった?」
「まだないわ」青木岑は微笑んだ。
「大丈夫よ、焦る必要はないわ。赤ちゃんも親も縁があってのことだから、縁が来れば自然とやってくるわ」
「うん」
「あら、見て!誰が来たか」大石紗枝は入り口を指さして笑った。
青木岑が振り向くと、入ってきた七、八人は全て高校時代の同級生だった。
クラス委員長の岡田明が先頭で、その隣には関口東、関口東の隣には痩せた体型で派手な化粧をした女がいた。
「わぁ、私の目は正しいかな...青木美人様」岡田明は青木岑を見て、少し驚いた様子だった。
「私がブライズメイドだって言ったら、もっと驚くでしょ?」
「すごい、すごい、マジですごい...本当なの?」別の男子生徒が尋ねた。
「本当よ...私、とても幸運なの。青木岑にブライズメイドを引き受けてもらえて」
「でも...青木さんって既に結婚してるんじゃ?」関口東は気まずそうに笑った。
確かに、結婚した人がブライズメイドをするなんて聞いたことがない...
「でも彼女は入籍しただけで、まだ結婚式を挙げてないのよ...だから、この機会に彼女を説得したの」大石紗枝が説明した。
「そうだね...結婚式を挙げてないなら結婚したとは言えないよね」
みんなが次々と意見を述べ始めた...
数人の同級生が控室に座り、大石紗枝と話し始めた...
関口東の隣の女が青木岑を見て言った。「これがあなたたちの高校時代の美人だったの?そんなに綺麗じゃないじゃない」
みんなが気まずそうに青木岑を見た...
青木岑は気にしていなかった。自分で美人だと認めたことなんて一度もないのだから。
「余計なことを言うな」関口東は明らかに気まずそうで、その女を小声で諫めた。
「関口...お前の彼女、随分と口が軽いな」岡田明は皮肉っぽく関口東を見た。
「彼女は率直すぎるだけで、みんな気にしないでくれ、はは」
「私は本当のことを言ってるだけよ。ごく普通じゃない。なんであなたたちが美人様扱いするのか分からないわ」