第270章:あなたたち二人は同盟を組むべき(10)

「彼女はあなたに何をしに来たの?」

「さあね、西尾聡雄の奥さんがどんな人か見たいって言ってたよ」

「ふふ...彼女の好奇心は本当に強いわね」西尾聡雄は冷静な反応を示した。

細川詩の記憶は8歳までのものしかなく、西尾聡雄はもう覚えていなかった...

この数年間、細川市長や母親の口から時々その人の話を聞くくらいだった...

西尾聡雄は本当に細川詩に対して何も感じなかった...

でも彼女が帰国してからは、存在感を示すのが上手いようだ...

昨日は彼と昼食を食べ、今日は青木岑を訪ねた。

「南区で私と食事をしたけど、特に何も言わなかったわ。確かに美人で...立ち振る舞いも上品で、お嬢様そのものだったけど、残念ながら私は彼女が好きになれないの」

「彼女をライバルだと思ってるからじゃない?」

「違うっていうの?」青木岑は反問した。