第285章:桑原様、紅顔に怒りを発す(5)

先生の手から暗赤色の手帳を受け取り、ゆっくりと開いた。

そこには青木岑の氏名、性別、生年月日、学歴、そして身分証番号が記載されていた。

もう一方には、職業:神経内科一級と書かれていた。

理論知識試験成績100

実技試験成績100

総合知識試験成績100

評価:優秀

下には社会保障部職業スキル認定センターの赤い印鑑が、とても目立つように押されていた。

「これで私は医師になれたんですか?」青木岑は少し興奮して顔を上げて尋ねた。

「第一病院神経内科一級医師青木岑、おめでとう。無事に資格を取得できましたね。」

試験官は彼女に一言一句丁寧に告げた……

「先生方、院長先生、ありがとうございます。」青木岑の声は少し詰まった。

医師になることは、彼女の子供の頃からの夢だった……

かつては、もう手の届かない夢になってしまったと思っていた。